プロダクト戦略・企画(自動車領域) 自動車プロダクトマネジメントユニット
自動車プロダクトマネジメント2グループ
勝田 晋司 Shinji Katsuta

自らの手で、サービスの成長・拡大に挑みたい。
「事業すべてに携われる場」を求めてリクルートへ。

リクルートに入社した経緯を教えてください。

前職はクライアント企業に対して新規事業のプランニングや支援を行う、コンサルティング会社に勤めていました。新規事業のアイデア出し・データ収集・仮説検証といった戦略策定支援や、戦略方針が定まった後の事業推進に向けたクライアントへの伴走が主な仕事です。
しかし、私が担当していたプロジェクトでは、経営者や事業部長といった企業上層部の担当者とコミュニケーションを行い戦略策定するものの、取り組むのは「最初の事業設計だけ」や「企画の仮説検証だけ」で、プロジェクトを動かすフェーズにタッチできないことがほとんどでした。上流部分にしか携われないがゆえに、当時は「べき論」の提案にとどまっていて、現場の本質的な課題解決に繋がっていないことへの問題意識がありました。
クライアントとじっくりコミュニケーションする中では、長期的なお付き合いだからこそ気づける発見や、現場と向き合うことで初めて見つけられる複雑な課題があります。そういった現場にあるリアルな課題に向き合い、その声をキャッチアップした上で何をどう実現していくのか。現場から自分の提案を発信して事業に取り組んでいきたいと強く考えるようになりましたね。
その中で出会ったのが、新規事業開発において上流から下流まで、すべてに携わることができるリクルートの求人です。面接では具体的なサービス名をあげた上で「グロースのフェーズをお願いしたいです」と伝えられました。新規事業の検討フェーズにおける求人はよく見かけますが、実際にグロースのフェーズに進んでいる新規サービスがあるということを知り、「リクルートは新規事業がいくつも生まれ、育てられているのだ」ということを実感しました。
また面接中では、リクルートの自動車領域の事業についてアイデアを求められることがあったのですが、自分が提案したものを受けて、より鋭いアイデアを上乗せした返事をされ、上長の発想や知見の豊かさ、そのレスポンスの早さとフィードバックの精度の高さに面食らってしまいました。そんなスピード感で普段のコミュニケーションが行われ、事業運営がなされているのだろうということが伝わり、このようなリクルートの環境に入社前ながらワクワクしたのを覚えています。

「その目標は、正しく設定されているのか?」
最適な目標達成を見据えて、サービスの価値を最大化する。

現在、プロダクト戦略・企画の担当者として、どのような業務にあたっているのでしょうか。

多様なサービスがあるリクルートでは、ビジネスモデルや事業フェーズもさまざまです。プロダクト戦略・企画職は、小規模サービスのローンチから大規模サービスのグロースまで、自身が担当するサービスの価値最大化を目指して戦略策定から推進まで携わります。
また、リクルートにはカスタマーとクライアント双方の課題を把握し、適切な打ち手を検討、実行し両者をマッチングさせるビジネスモデルがあります。この両者を結びつけているのが、我々が管理するサービスやプロダクト。カスタマーやクライアント双方の視点を交えて、そのプロダクトを変化・成長させこのモデルをより太く大きくするための戦略を描くのが、重要なミッションです。
現在私が担当しているプロダクトは、リクルートによる中古車検索・販売サイト『カーセンサーnet』内にある、中古車販売会社が使用する「仕入れサービス」です。「中古車の仕入れをうまく行えていない」というものから、「パソコンに不慣れで、Webサービスに苦手意識がある」というものまで、販売店が持つさまざまな課題を受け、戦略策定や、施策の具体化、推進を行います。
「仕入れサービス」の目標は、多くの販売店に質の良い車を仕入れてもらい、小売りに成功していただくこと。そこを最大化するための施策を日々考えているのですが、時には「出品台数は増えたが、入札台数が増えない」など、必ずしも成約台数に直結しないこともあります。「どのような目標設定が最適なのか」を常に検証し改善していくことが必要ですし、その戦略を受けて、「どのようなシステムを構築し、サービスの価値を最大化するために、どう営業に動いてもらうのか」という具体的な施策を定めていくことも大事な役割です。

競合他社にはない新サービス。
クライアントの声に耳を傾け、プロダクトの価値を再定義した。

実際に手がけられた施策について教えてください。

2022年に、「クライアントが中古車を仕入れる際の資金繰りを、リクルートが支援する」という「資金繰りサービス」をリリースしました。『カーセンサーnet』の新しい価値に寄与するプロダクトで、企画立案から施策、リリース、その後の機能改善に至るまで、一通りのマネジメントに携わりました。
このプロジェクトでは、クライアントが求めるサービスを提供するために、競合サービスにはない価値を生み出すことが重要でした。そこでまずは、新サービスの企画前に他社プロダクトと比較した競合優位性、つまり「プロダクトの価値」を再定義することに。中古車販売店へのヒアリングや定量分析を行い、競合に対する優位性を「仕入れリスクの軽減」に定めました。そこから上長と2人でディスカッションを重ね、ひと月ほど会議室にこもってサービスのアイデアを生み出しましたね。数々のアイデアをニーズの有無や実現可能性をふまえて検討し悩みぬいて、ようやく“いける”と判断し企画へと繋げることができました。
プロダクト実現において私が最もこだわったのは、中古車販売店に「サービスの意義を、いかに分かりやすく伝えていくか」ということ。そのためには、私がビジョンを理解しているのはもちろん、中古車販売店に直接説明をする営業担当者も同様に、サービスの価値やシステムを十分に理解し熱量をもって語れる必要があります。とはいえ、最初のうちは私自身でさえ「このサービスによってクライアントの利益はちゃんと出るのか」「会社に損失は出ないのか」とリスクばかりに目を向けてしまい、必要以上に漠然とした心配をしてしまっていました。それでは営業担当者も自信を持ってクライアントに説明できないですし、その魅力を感じていただくのは難しい。そこで、本当に避けるべきリスクは何なのか、許容可能なリスクは何なのかを改めて考え直しました。リスクの解像度が上がれば上がるほど、本当に伝えたかった「プロダクトの価値」を、胸を張って語れるようになっていきましたね。
また、サービスの説明動画やチラシ、ロールプレイング動画などの販促ツールを作成し、「こんなふうに伝えると良いのでは」「こういう使い方もできるよね」と営業部署とディスカッションしながら、より適切にサービスの意義を伝えることを心がけました。営業部署も一丸となり、クライアントにとって何が一番なのかを一緒に考え抜くことで、同じ目的意識をもって取り組めたのだと感じています。
プロダクトのリリース後は数カ月で大きな結果を出し、クライアントや現場の営業担当者からも良い反応をもらっていますし、新サービスを通して本体の『カーセンサーnet』にも導線が生まれ相乗効果で数字を伸ばしています。中古車販売店のなかには「仕入れるときは、これしか使わない」というクライアントもいらっしゃるようで、企画から導入まで全てを担当した身としては、とにかくうれしい限りですね。

プロダクトの戦略・企画立案を通して、視座が上がる。
ビジネス推進に必要なバランス感覚を身に付けた。

プロダクトの戦略・企画立案の仕事を通して、どのような成長を感じましたか?

まだまだ成長途中ではありますが、以前より高い視座でビジネスを捉えられるようになったと思います。
プロダクト戦略・企画職は自分が担当するプロダクトに関する全てに責任を持つ役割です。仮にWebサイトが期日内に完成しなかったとしても、完成したプロダクトに魅力がなかったとしても、それをクライアントに伝えられなかったとしても、プロダクト戦略・企画担当者の責任。そう考えると、経営者や事業責任者の役割に近いかもしれませんね。自分の責任範囲を広く捉えることで、結果的に視座が高まっていったと感じます。
さらに、ビジネスにおけるバランス感覚が以前よりも身に付いたと思っています。こうした成長を感じられるのも、プロダクトを立ち上げるフェーズに携われたからこそ。「資金繰りサービス」は世の中にまだないプロダクトでしたので、過去実績がない分、定量的なデータだけでビジネスインパクトを示しきれない部分がありました。実際、批判的なコメントをクライアントからいただくこともありましたし、リリースするまで不安がゼロだったかというとそうではありません。そこで私は、データだけではなく、「将来的にはこんな便利を生み出せる」「このプロダクトが社会をこんなふうに変える可能性がある」といった中長期的なビジョンやポテンシャルを、しっかり言語化することも重要だと考えるようになりました。「ちゃんと価値を感じてもらえたら、ユーザーはきっとついてくるだろう」と確信を持っていましたし、そこに共感いただけたことで、クライアントとの信頼関係は着実に積み上がっていったように思います。
「事業の実行フェーズ」では特に、定量・定性、短期・中長期など、さまざまな観点をバランスよく取り入れ意思決定することが大切なのだと実感しました。

より精度の高い意思決定を目指して
プロダクトと共に、自分も成長していきたい。

リクルートで働く魅力と、今後の目標について教えてください。

今私が担当しているのは、『カーセンサーnet』内に複数あるうちの1つのプロダクト。立ち上がったばかりのプロダクトだからこそ、一気通貫で関われますし、自らの意思決定や取り組みをプロダクトの魅力に色濃く反映していく経験ができます。
次の挑戦としては、担当領域を広げ多くの経験を重ねて大規模プロダクトに関わっていきたいです。そのために、今以上にスピード感を持って精度の高い意思決定をしていけるようになりたいと考えています。普段からマネージャーの働きぶりを間近で見ているのですが、プロダクトの規模に関わらず、「その場でどういった判断が最適なのか」に対するジャッジがとにかく正確ですね。「全ての意思決定を、全力で行う」というよりも、「あとから微調整することを見越した、早さを重視した意思決定」や「多少時間がかかっても、深く考えて行う意思決定」など、ものごとが動くスピードに合わせた判断や観点から学ぶことが多いです。
今後、そうした意思決定の「かんどころ」を身に付けながら、プロダクトマネージャーとしての視座を高めつつ、カスタマーやクライアントのためになるプロダクトを生み出し磨くことで自分も共に成長していきたいです。

記載内容は取材当時のものです。

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