大学卒業後、2007年リクルートに入社。新卒採用、人事企画、人事制度設計・育成施策等に携わる。2021年4月のリクルート統合を機に、現職に就く。

2万人の能力を開花させる手法を探求。
事業をドライブさせる人事戦略を描く。

―人事統括室について教えてください。

人事統括室は、コーポレート職種が集うスタッフ統括本部に属します。スタッフ統括本部は、経営企画・経営管理・広報/サステナビリティなどの領域に分かれており、人事統括室は「人事」領域に所属しています。「人事」領域には、従業員の成長と組織成果の最大化に関連したアジェンダに携わる人材・組織開発室や、多様な個の尊重・活躍のための企画立案と実行を担うDEI推進室、採用戦略の立案から実行を担う人材開発室、人の新しいつながり方を実践的に創出しメソッドを社内外に提供するヒトラボなどが属しており、機能毎に複数の組織から成り立ちます。
人事統括室とは、リクルートの事業戦略に応じた人材や組織戦略を描き、企画・推進することで、「従業員一人ひとりが能力を発揮できるための、機会及び環境提供を実現すること」を目指す組織です。具体的には、中長期の人事戦略の立案と実行や、人事制度(組織人事異動、考課、登用など)の企画・運用を担う人事戦略部、労務施策の企画・運用を行う労務統括部及び労務管理部、そのほか人事テーマごとに形成されたプロジェクトチームがあります。
リクルートは、サービスやプロダクトを開発する部門、営業部門、経営を支えるコーポレート部門(スタッフ統括本部)の3つの部門で構成されており、部門ごとに、担当の人事組織を設置しています。私たち人事統括室は、「統括」という言葉に象徴されるように、部門それぞれの担当人事と連携し、会社を横断する人事戦略の設計を担っています。
例えば、リクルートでは、会社側が働く個人に約束することとして、「3つのPromise」を掲げています。一つ目に、「能力開発・チャレンジできる機会を拡充すること」、二つ目に、「安心安全を前提により柔軟に、よりクリエイティビティ高く個々人の働き方を選択しやすい環境を作り出すこと」、三つ目に、「Pay for Performance」。これは個人が挑戦した結果に対して、報酬や新たな機会で報いていくというものです。人事統括室では、会社が3つの約束を果たし続けるためにも、各担当人事と協業し、人事課題と向き合いながら、どのように昇華させていくのかを企画し、あらゆる施策に反映することをミッションとしています。
その他にも、会社の持続的な発展を目指すために、事業と伴走しながら人事戦略を構築しています。リクルートは、1960年の創業以来、メディアを通して企業と個人をつなぐ広告事業を展開してきましたが、現在はSaaSソリューションの拡大を進めるなど、事業戦略を大きく転換させています。サービス開発ひとつとってもスピードが速く、組織や人の変化が伴うため、人事戦略も迅速に対応する必要があります。そのため、経営層と密なコミュニケーションを重ねながら、事業戦略を理解し、同時に動向を見定め、打ち手を先読みします。さらには採用などの関連部門と連携することで、事業戦略を実現・加速させるための人事戦略を共に練っていきます。
人事統括室はこのように、リクルートで働く個人と事業のさらなる成長・進化を実現するために、会社を横断して各部門と連携し、適切な人事戦略及び施策を企画・推進する役目を果たしています。

組織を超えた柔軟で創造的な仕事。
駆動する戦略をボトムアップでつくる。

―人事統括室の仕事内容について教えてください。

現在、人事統括室には約60名のメンバーが所属しています。全員に共通しているミッションは、「さまざまな人事課題に対して設定したゴールに向けて、実効性のあるプランを作ること」です。人事統括室が担う役割は、人事戦略の構築や人事制度のアップデートなど多岐にわたりますが、トップダウンではなくボトムアップで物事が決まります。各メンバーに求められるのは、組織の壁を越えてフットワーク軽く動き、ヒアリングや分析から課題を特定し、施策をまとめていくことです。
例えば、リクルートでは年齢、入社年次、経験、性別に関わらず、職務に応じて等級(グレード)を決定する人事制度「ミッショングレード制」を採用しています。2021年4月に、再び株式会社リクルートとして統合することが決まった際には、一つの会社として新たに大切にしていく指針をつくろうと、この制度の改訂を行いました。これにあたり、制度や報酬を抜本的に見直すべく、人事統括室のメンバーが各部門の役員や組織長と議論して、課題を整理し、あらゆる解決策を見出していきました。さらには制度が決定してからも、より実効性のあるものにするために、「どういう意図で改訂したのか」「どのように使って欲しいのか」を言語化して、各組織長に伝えていきました。このように、一人ひとりの当事者意識に基づく行動や、柔軟な対応があったからこそ、新たな制度を実装できたのだと考えています。
この実例のように、組織範囲に縛られたり、自分たちの領域や役割を限定したりせずに、目標の達成に向けて、各組織と連携しながら人事課題に対峙していくことこそが、人事統括室における仕事だと言えます。

課題を自分で設定できるから面白い。
問題解決思考をフルに生かせる職場。

―人事統括室で働く面白さ・魅力について教えてください。

リクルートの企業文化を表すならば、その一つに、「当事者意識」という言葉を挙げられますが、この意識は、人事統括室にはとくに求められる要素です。そのため、問題解決思考と好奇心を兼ね備え、自律的に仕事を推進したい人にとっては特に、面白さを感じてもらえる組織だと言えます。
活躍できる人物像を例えるなら、「道端の落とし物を拾える人」です。自宅の床に落ちている物は拾いますが、道にある落とし物は、自分が拾った方がいいのか、拾わない方がいいのか、きっと判断に迷いますよね。それを自分の中で課題だと設定して、自らが解決するべきかどうかは置いておくとしても、解決するために動くという心構えがあるのか、ないのかでは大きな違いがあると思うのです。
リクルートの人事制度はメディアでも注目いただくことも多いのですが、日々メンバー一人ひとりが現場の声を聞き、実現に向けて検証を続けている結果です。人事統括室には、課題の設定から解決まで、自分事として推進できることに面白みを感じられる人が多いように思います。
また、多様なバックグラウンドを持つメンバーとチームで仕事ができる点も魅力です。法律の知識をベースに人事制度を設計できるメンバーや、HRのアナリティクスを得意とするメンバー、人事給与システムの導入に詳しいメンバーなどが集い、組織が形成されています。
さらには、現在人事統括室は大きな変革期を迎えています。リクルートは、2021年に7つの事業会社を1つの会社に統合した際に、スローガンとして「CO-EN」思想を掲げました。このスローガンには、リクルートが「社内外の垣根を越えた協働・協創が生まれるCO-EN(公園、Co-Encounter:出会い)のような場」を目指すという意味を込めています。コロナ禍をきっかけに、働き方が根本的に変わりつつあり、また、これまで以上に多様性が重視される時代において、「CO-EN」を本気で実現しなければなりません。そのためには、多様な個人とチームが集まり、自律的に活動できるための制度や環境を整備することが不可欠です。人事統括室にとっても、新たなチャレンジとなる「CO-EN」の推進に携われる点も魅力だと考えます。

個人が輝ける環境づくりに終わりはない。
多様性とテクノロジーで新しい働き方を紡ぐ。

―今後の挑戦・実現したいことを教えてください。

これからも、一人ひとりがリクルートの様々な機会を生かし、成長し、価値発揮できる状態を作るために、人事制度や仕組みを作り、アップデートしていきたいです。リクルートの大切にしたい価値観である「価値の源泉は人」が示すように、様々な人が集うことで、社会にインパクトのある価値を生み出せると考えています。私がリクルートに入社した2007年当時、従業員は約5000人で、新卒入社時から会社に所属しているメンバーの数が、キャリア採用入社者を大きく上回っていました。しかし、現在の従業員数は2万人を超えており、他業界や、他業種からリクルートに入社した人の割合も増えました。多様なバックグラウンドを持つメンバーが増加する中、特に重要なのは、その多様性を受け入れる環境や制度を整備することです。この取り組みに終わりはなく、アップデートを続けることで、リクルートは機会に富み、楽しさを感じながら働ける集団として、さらなる高みを目指せると信じています。
また、各々の可能性を拡げる機会を増やすためには、今後、テクノロジーを組み込んだアプローチが必要だと感じています。
多様性や柔軟性を考慮しつつ、一人ひとりが楽しく働ける機会や環境、仕事そのものを魅力的にするために、より最適な選択肢を提案し、「まだ、ここにない、出会い。」を桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。

記載内容は取材当時のものです。

社員インタビュー

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